2008年06月22日

第6回 科学ひろばサイエンスカフェ(6/22)

今日は,フィンレージの会の鈴木良子さんをお迎えして,サ
イエンスカフェを行いました.
会場は,以前科学ひろばで利用させていただいたことのある
東京・東中野のノアズカフェ



参加者のみなさまに,今日はどのようなものを期待してサイ
エンスカフェに参加されたのか,自己紹介を兼ねてお聞きし
たあと,鈴木さんに話をしていただきました.

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今回のテーマは「どうなる『生殖技術』〜審議会におけるモ
ノゴトの決まり方〜」というものでした.

私にとって驚きだったのは,ES細胞研究やクローン胚研究,
生殖補助医療研究に関しては,法もしくはガイドラインが設
けられているのに,これらの土台とも言うべき,生殖技術の
「包括法」がなく,いわばまったくの「無法地帯」と化して
いること.あとは,生殖技術は不妊治療に直接関係している
「一部のヒト」の問題,ということで,議論が盛り上がらな
いということ.

結局,最近になってヒトES細胞の使用研究についての議論
が改めてされるようになったのも,ヒトiPS細胞の研究動向
に影響されてのことですから.

審議会の審議や,委員の選ばれ方,パブリックコメントの扱
われ方といった,法/政策策定への道筋等についても,世間
の認知度はきわめて低いと思います.

仔細に見ればさまざまな問題を抱えているし,しかも当事者
でない一般市民の間できちんとした議論なり,意見交換がさ
れてきていないように思えます.

osumiさんが,Miraikanの生命フロアのエンドクサの展示に
ついて触れられています
Miraikanでも,国内で実際に動い
ている具体的な事例をもとにした議論をされているという話
は聞かれません.科学コミュニケーションの範疇を超えるの
かも知れませんが,私としてはもっと社会や政治とも密接に
関わる生命倫理の話題をもっと真剣に考える機会があればと
思います.

今日のサイエンスカフェは,予定を約20分間延長して,ゲス
トからのインプットに約90分,意見交換に50分かけましたが,
個人的にはまだ話し足りなかったと思っています.

同じ会場でのアフターカフェも盛り上がりましたが,夕方か
ら同じ場所でキャンドルナイトのイベントが行われる
という
こともあり,16時半には会場を後にしました.

カフェレポートは,今回,北海道から参加された科学コミュ
ニケーターの方に執筆を依頼しました.原稿が送られ次第,
ウェブにアップしたいと思います.

参考図書:
林真理著「操作される生命」NTT出版刊
操作される生命―科学的言説の政治学

操作される生命―科学的言説の政治学

  • 作者: 林 真理
  • 出版社/メーカー: NTT出版
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本

御輿久美子著「人クローン技術は許されるか」緑風出版刊
人クローン技術は許されるか

人クローン技術は許されるか

  • 作者: 御輿 久美子
  • 出版社/メーカー: 緑風出版
  • 発売日: 2001/09
  • メディア: 単行本
posted by K_Tachibana at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 科学カフェ報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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