今日は,フィンレージの会の鈴木良子さんをお迎えして,サ
イエンスカフェを行いました.
会場は,以前科学ひろばで利用させていただいたことのある
東京・東中野のノアズカフェ.
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2008年06月22日
2008年03月23日
2008年03月19日
2007年12月27日
第4回 科学ひろばサイエンスカフェ(07/12/10)
●第4回 科学ひろばサイエンスカフェ
開催日時:2007年12月10日(日)14:00〜16:00
開催場所:NOAH'S CAFE(東京都中野区上高田1-34-1)
テーマ :社会の中の子育てとは?
〜こどもと共に暮らしていくことの意味について
話題提供:武田信子さん(武蔵大学 教授)
ファシリテータ:小泉千尋(科学ひろば)
参加者:9名(ゲストおよび運営スタッフを除く)
主催 :「科学ひろば」運営委員会
内容 :
「赤ちゃんだって肩が凝る!?いまの日本のこどもたちは,田舎
であってもエアコンのある生活で,うるさくなったらテレビをつ
ける... 自分の思うとおりに育たないこどもはたたいてしま
う...」
武田さんがゲストスピーカーのサイエンスカフェは,こんな素朴
な問いかけからはじまった.
次いで,会場にお越しくださった参加者の方々ひとりひとりに,
どのような動機でこのカフェに参加したか,発言する時間が設け
られる.武田さんの話は,参加者がカフェに来た動機をふまえ,
著書「社会でこどもを育てる」の背景となった社会経験をもとに,
即興的にその場で組み上げられていった.サイエンスカフェは,
あらかじめプログラムされた講演会よりもずっと高度な頭脳ゲー
ムなのだ.
「おむつを取り替えるときに感じる,親に快適にしてもらえる体
験.この人のことを聞けば快適になれる,だからその人を共感し
信頼することからうまれる関係性.関係性をもたない人のことは
わからない」
「にらめっこの意味って何でしょう? にらめっこは,ひととひ
ととが目を合わせる練習,相手の人がどのようなひとかわかるよ
うになる練習.こういった民衆の知恵がいま,どんどん失われて
きている」
武田さんは,サイエンスカフェで話すのは今回が初めて.しかし,
まったく初めてということを感じさせない双方向的な話題の展開
が,私たちのこころを惹きつけた.しかも「いい感じで」参加者
からも意見や質問が投げられ,武田さんが答えたり,参加者同士
で話がまわっていったりもする.それは,もしかすると武田さん
が研究者であるという以上に,これまで培ってきた心理カウンセ
ラーの経験がなせる技なのかも知れない.
「国際比較データでは,15歳のこどもは日本だけ突出して孤独.
どうも,思いの丈を話せるコミュニケーションをとる相手がいな
い.それは臨床心理の授業でコミュニケーションのロールプレイ
をやってきてわかる」
さきごろ発表された国際学力調査についても取り上げる.
「日本が世界の一グループに入っていないといけないのはなぜ?
日本のこどもは,共感性を育てるような教育をされないまま,日
本は人的資源しかないから,と追いつめられている...」
第3期科学技術基本計画も「モノから人へ」がキャッチフレーズ.
しかし,その人を支える教育の面でみてみると,本当にいまのま
までいいんだろうか.武田さんの示唆に富む指摘は,真を突いて
いてかつ他のサイエンスカフェではなかなか聞けない内容を含ん
でいた.いわんや,科学技術「だけ」の専門家が集まった公開の
ディスカッションでもそうそう聞ける話ではなかった.それだけ
に,開催者としてもやってみて非常に面白かった.さらに,科学
コミュニケーションがここまで強く言われるようになったのも,
遠因として「思いの丈を話せるコミュニケーションをとる相手が
いない」ことがあるように,私には思われた.
☆☆
今後とも,ひとつの枠に囚われることなく多様なカフェを社会実
験していきたいと思う.そこが,独立系のサイエンスカフェであ
る私たちの最大の価値だと考えるからだ.(おわり)
※写真は,あらかじめサイエンスカフェの開始時に承諾を得て
掲載しております.
開催日時:2007年12月10日(日)14:00〜16:00
開催場所:NOAH'S CAFE(東京都中野区上高田1-34-1)
テーマ :社会の中の子育てとは?
〜こどもと共に暮らしていくことの意味について
話題提供:武田信子さん(武蔵大学 教授)
ファシリテータ:小泉千尋(科学ひろば)
参加者:9名(ゲストおよび運営スタッフを除く)
主催 :「科学ひろば」運営委員会
内容 :
「赤ちゃんだって肩が凝る!?いまの日本のこどもたちは,田舎
であってもエアコンのある生活で,うるさくなったらテレビをつ
ける... 自分の思うとおりに育たないこどもはたたいてしま
う...」
武田さんがゲストスピーカーのサイエンスカフェは,こんな素朴
な問いかけからはじまった.
次いで,会場にお越しくださった参加者の方々ひとりひとりに,
どのような動機でこのカフェに参加したか,発言する時間が設け
られる.武田さんの話は,参加者がカフェに来た動機をふまえ,
著書「社会でこどもを育てる」の背景となった社会経験をもとに,
即興的にその場で組み上げられていった.サイエンスカフェは,
あらかじめプログラムされた講演会よりもずっと高度な頭脳ゲー
ムなのだ.
「おむつを取り替えるときに感じる,親に快適にしてもらえる体
験.この人のことを聞けば快適になれる,だからその人を共感し
信頼することからうまれる関係性.関係性をもたない人のことは
わからない」
「にらめっこの意味って何でしょう? にらめっこは,ひととひ
ととが目を合わせる練習,相手の人がどのようなひとかわかるよ
うになる練習.こういった民衆の知恵がいま,どんどん失われて
きている」
武田さんは,サイエンスカフェで話すのは今回が初めて.しかし,
まったく初めてということを感じさせない双方向的な話題の展開
が,私たちのこころを惹きつけた.しかも「いい感じで」参加者
からも意見や質問が投げられ,武田さんが答えたり,参加者同士
で話がまわっていったりもする.それは,もしかすると武田さん
が研究者であるという以上に,これまで培ってきた心理カウンセ
ラーの経験がなせる技なのかも知れない.
「国際比較データでは,15歳のこどもは日本だけ突出して孤独.
どうも,思いの丈を話せるコミュニケーションをとる相手がいな
い.それは臨床心理の授業でコミュニケーションのロールプレイ
をやってきてわかる」
さきごろ発表された国際学力調査についても取り上げる.
「日本が世界の一グループに入っていないといけないのはなぜ?
日本のこどもは,共感性を育てるような教育をされないまま,日
本は人的資源しかないから,と追いつめられている...」
第3期科学技術基本計画も「モノから人へ」がキャッチフレーズ.
しかし,その人を支える教育の面でみてみると,本当にいまのま
までいいんだろうか.武田さんの示唆に富む指摘は,真を突いて
いてかつ他のサイエンスカフェではなかなか聞けない内容を含ん
でいた.いわんや,科学技術「だけ」の専門家が集まった公開の
ディスカッションでもそうそう聞ける話ではなかった.それだけ
に,開催者としてもやってみて非常に面白かった.さらに,科学
コミュニケーションがここまで強く言われるようになったのも,
遠因として「思いの丈を話せるコミュニケーションをとる相手が
いない」ことがあるように,私には思われた.
☆☆
今後とも,ひとつの枠に囚われることなく多様なカフェを社会実
験していきたいと思う.そこが,独立系のサイエンスカフェであ
る私たちの最大の価値だと考えるからだ.(おわり)
※写真は,あらかじめサイエンスカフェの開始時に承諾を得て
掲載しております.